ウェアやバックパックをはじめとして、性能と品質の高さから当店でもご好評をいただいているイギリスのアウトドアブランド「Rab」の製品。その中でもダウンを使った製品はこのブランドの原点でもあります。Mythic(ミシック)シリーズは数あるRabのダウン製品群の中のフラッグシップモデルです。そのMythicシリーズが今年大幅リニューアルして登場しました。
当店ではスリーシーズンにオススメしたいMythic 0C/32Fをお取り扱いしています。
Mythic 0C/32Fの主な特徴

シェイプは軽量化を重視した、足元に向かって細くなるテーパードマミー型。窮屈過ぎず、横向き寝も可能です。実際に入ってみると、無駄な空間が少なくすぐにダウンに熱が伝わって温まると共に、シュラフ内での空気の対流が起きにくくなることで冷えを低減します。
スペック

対応温度は【コンフォート 5℃/リミット 0℃/エクストリーム -7℃】。7月〜9月上旬の3000m級山岳や春から秋にかけての〜2000m級の山では、Tシャツスタイルで寝ても充分快適なスペックです。使い方次第ではコレと厳冬期用シュラフがあれば年間を通して山で遊べるでしょう。
重量は500g。一般的にリミット0℃のシュラフは、他社のフラッグシップモデルでも550〜600g前後の物が多いことを考えると驚きの数字です。その軽さの秘密や優れている点を説明していきます。
900FPの撥水ダウン

中綿は900FPの高品質なダウンに、ウェアやギアのクリーナー&撥水剤で有名な「Grangers」による撥水加工を施しています。
ダウンは軽くてコンパクトになりますが、水分・湿気を帯びることで一気に保温力が低下してしまいます。みなさんも経験があるかもしれませんが、結露や寝ている間の汗でダウンシュラフが濡れてしまってペシャンコになるとそれ以降の夜は寒くて寝られたもんじゃありません。
その点、このGrangersの撥水加工は凄まじく、展示会で見せていただいたPVでは、ビーカーに羽毛の塊を沈めて取り出しても、羽毛は潰れず元の塊を保ったままという驚きの内容でした。これにより、長期縦走でも一定の暖かさを提供してくれる安心感があります。結露しやすいシングルウォールシェルターとの相性も良く、濡れの心配をしてシュラフカバーを持っていく必要もないでしょう。
熱を反射するTILTテクノロジー

内側の生地にはチタンコーティングを施すことで体の熱を反射する「TILT」が採用されています。このTILTにより、少ないダウン量でも暖かさを保ち、総重量を減らしています。
内側を見てみるとチタンが光を反射して銀色の光沢があります。このコーティングは繊維レベルで施しているため、通気性を損ないません。私もTILTが施されたMythic G Jacketを愛用していますが、着用した瞬間からじんわりと暖かく蒸れも少ないのが印象です。
L.O.F.T 3D™バッフル構造

表から見ても特徴的なステッチを持つバッフルは、シュラフ内部でねじれた構造になっており、ダウンの偏りを防いでいます。コールドスポットが発生しにくいです。
細かいディティール

表地は10DのPertex® Quantum ナイロンリップストップに撥水加工を施しており、テント内の結露などをしっかりと弾きます。裏地は10D リサイクルAtmos™に前述のTILTを施した生地。

ジッパーは出入りに必要な最低限の長さに設定されています。ジッパーは冷気の侵入経路となります。それを防ぐためにジッパーに被せるようにダウン入りのフラップを設ける必要がありますが重量増や収納時の嵩張りに繋がります。Mythic 0Cではジッパーを短くすることで冷気の侵入を最小限にして、フラップを省略していると考えられます。


フードはドローコードによって絞ることが可能です。

首元にはダウンが入ったネックカラーが配置され、ドローコードを絞ることで首元を温めつつ冷気を遮断します。ネックカラーの顔側は首の形状に沿うようにくびれた形をしています。

足元はサイドバッフルを備えた立体的な構造でかなりボリュームがあります。冷えが気になりやすい足先をしっかりと保温します。


コンプレッション可能な収納袋が付属し、収納サイズは実測で28cm×Φ16cm(コンプレッション無し)、19cm×Φ16cm(コンプレッション状態)。

保管用のストレージバッグが付属します。
Rabのダウン製品は、イギリスの本社工場で生産されてから一度もコンプレッションせずに小売店まで届けられます。輸送コストを考えると非効率的ですが、最高のクオリティの製品を最高の状態でお届けしたいというRabのコダワリを感じます。
価格は¥88,000。シュラフの価格としては決して手頃とは言えませんが、クオリティはもちろん、前述した輸送方法にまで及ぶRabのコダワリが詰まっていて、3シーズンを全てカバー、そして長く使えると考えたらその価値は充分にあると思います。
山で常に最高のパフォーマンスを引き出したい、快眠を求める方にはぜひお勧めしたいシュラフです。


