店主の休日 | 春が訪れた八ヶ岳、横岳へ

店主の休日

こんにちは。チカです。

高山で一層早く咲くツクモグサ。これを見ないでは八ヶ岳のグリーンシーズンを迎えられない、という気持ちはきっとお花好きの方なら大半の方が共感してくださることでしょう。
先日横岳のツクモグサが咲いたと小耳に挟み、早速お花見に行ってきました。

今回は横岳にてツクモグサをはじめとした高山植物を観察する時間をたっぷり取るために、南八ヶ岳の登山道でも比較的登りやすい桜平から入山しました。

桜平ゲートに到着すると、賑やかな鳥の声が迎えてくれました。鳥たちも春が来たことを喜んでいるよう。恋の季節まっ只中の様子です。林道脇を見るとシロバナヘビイチゴの花が咲いていました。2月の杣添尾根ぶりの八ヶ岳は、この3ヶ月ですっかり春の山に変貌を遂げていました。

朝もやの残る林道には朝日が差し込み、なんとも爽やかな気分。赤みを帯びたカツラの新芽がより一層森を明るく見せます。程なくして夏沢鉱泉に到着し、ここで衣服調整も兼ねて小休憩。気温はさほど高くありませんが、アスファルトの急坂ですっかり体が温まりました。

オーレン小屋までは緩やかな砂利道で、あっという間に小屋の目印のタルチョが見えました。もうすでに日は高く気温も上がり、肌に当たる空気は夏山のようでした。小屋の入り口前に立ててある幟に書かれた「アイスクリーム」の文字にひかれつつも、少し水を口に含んでそのまま夏沢峠方面へ直進。足元はゴロゴロした岩も出てきて、ようやく八ヶ岳の登山道らしくなってきました。特徴的な鳥のさえずりが聞こえていたので、持ってきた単眼鏡で鳴き声のする方を覗いてみましたが、あいにく姿は見えず。単眼鏡は目がとても疲れるので連続で覗くのは1分がやっとです。後で録音した声を確認してみたらメボソムシクイという鳥の鳴き声でした。

オーレン小屋を過ぎると、森の木々がだいぶ低くなり空を近くに感じます。緩やかな登りを20分ほど歩くと夏沢峠に到着しました。ここを通過するのは2024年5月に八ヶ岳全小屋縦走を企てた時以来の2年ぶり。こじんまりとした小屋とその奥に見える硫黄岳の爆裂火口の対比が美しい場所です。小海方面から雲が湧いていて、より硫黄岳の雄大さが際立っていました。

曇りの日も快適なNihoのサングラス。

この日のウェアは山と道のDFメッシュスリーブレス+バンブーショートスリーブシャツ+DW 5-Pocket Shorts。バンブーシャツの汗で濡れた感じが苦手…と感じる方は、DFメッシュとの組み合わせがオススメです。汗冷え感もありません。

ガレた道を歩くこと30分ほどで硫黄岳山頂に到着。途中、イワヒバリたちが戯れながら地面を突っついていました。

小腹がすいたので、とれいるようかんでガツンとエネルギーチャージ。クリスピーなくるみの食感とバター風味でぺろりと平らげてしまいました。羊羹の概念を覆す洋風ようかん。ここぞというときに食べると元気が出ます。

夫はSTATICのMERCED RIVER HOOD SHIRTSとAPOSTLE PANTS着用。

稜線を優しく吹きぬける風はひんやりとしていて、流石にウインドシェルを着ました。個人的にはウインドシェルを着て快適なくらいが歩いていて一番心地よく感じます。まさにこの日の稜線はそんな感じで、景色はほどほどでしたがお花見には最適なコンディションでした。

硫黄岳山荘の前では朝からスタッフさんが荷下げのモッコを準備していました。このガスでヘリは飛ぶかなあ…なんて横目に通過します。小屋に居たとき、ヘリの日は朝からバタバタで気が気じゃない一日だったことを思い出して、きっとここにいる皆さんもそうなのかな、と想像しました。

さて台座の頭まで軽く登り返すと早速可憐なミヤマキンバイが出迎えてくれました。キバナシャクナゲも咲き始めているのがすぐに見つかりました。今日で何個お花が見れるんだろうか、と期待が高まります。

東と西の斜面を夫と分担してポケット図鑑を片手に植物探し。こんなにのんびり歩けるのも人が少ない平日だからこそ。見つけたお花を図鑑と見比べながらじっくり観察してマイペースに進むこと20分ほどで奥の院に到着しました。道中コメバツガザクラやミネズオウ、オヤマノエンドウが咲いていました。

まだツクモグサにはお目にかかれておらず、予定よりも少し先まで足を伸ばすとようやく発見。登山道からはちょっと距離があったので、ここぞとばかりに単眼鏡を取り出してじっくり観察しました。淡いクリーム色の花と外側に生えたフサフサの毛がファーを巻いているみたいでなんとも可愛らしく、ずっと見ていられます。今日は曇り空だったので控えめな開き具合でしたが、それもまた可憐。これからもそっと見守っていきたいですね。

※観察の際は植生保護のグリーンロープから出ないように注意しましょう。

この日のバックパックはSAYAMAworksのNICEDAY。身長150cmの背面長難民である私にピッタリサイズの中型バックです。日帰り〜泊まり山行まで幅広くこなします。背負っているのは旧モデルですが、最新モデルはサイドアクセス用のファスナーが付き更に便利に。

目的のツクモグサも拝めたところで歩いてきた道を引き返します。行きに気づかなかったツクモグサがちらほら見つかり、不思議なものです。もうすっかりお腹が空いていて、ちょうどお昼に硫黄岳山荘に戻ってきたので名物のカレーを注文しました。前回山荘の中に入ったのは10年ほど前だったと思いますが、その時と比べるとすっかり綺麗になっていて、しかもエアコンまで付いているのには驚きを隠せませんでした。本を読みながら待つこと15分ほどで待ちに待ったカレーとご対面。じっくり煮込まれたコクのあるルウと油でしっかり炒められた夏野菜が疲れたからだに元気を取り戻してくれます。食休みしつつ今日見たお花を振り返り。どうしてもミネズオウだけ名前が出てこず、帰ってから由来を調べました。「スオウ(イチイのこと)の葉によく似ていることから、峰に咲くスオウでミネズオウ」とのこと。余計にややこしくなりました…

ミネズオウの花

食後の腹ごなしに軽く山荘の横にある植物観察路を歩くことにしました。稜線であれだけお花が見れたのだから…とワクワクしながら歩いたものの、こちらにはキバナシャクナゲの蕾があっただけでした。まだ早かった。そして食後も相まって山荘までのほんのちょっとの登り返しが辛かった…笑

気を取り直して硫黄岳山頂を目指します。途中振り返るとお昼前まであったガスがとれて南八ヶ岳の峰々がよく見えました。硫黄岳手前からは大同心の張り出ている様子がくっきりとみえて迫力満点。程なくして山頂に到着しました。この日はずっと風が穏やかで、硫黄岳の山頂でお昼寝もできそうなほど。

ここからは行きに歩いた道とは異なる赤岩の頭方面へ向かいました。この開けた砂地もなかなか見応えのある景色で八ヶ岳の中でも好きな場所TOP10に入ります。遠くからヘリの音が聞こえてきて、ちょうど硫黄岳山荘に荷揚げするタイミングでした。小屋に荷物を下ろしたあと、小屋からの下げ荷を積んで近くを飛んでいきました。かなりの迫力でつい見とれてしまいます。そして無事にヘリが飛んで何よりです。

正面に見える綺麗な三角形のピークが峰の松目。

さて赤岩の頭からは分岐を峰の松目方面へ。峰の松目は今回初めてで、どんな感じかワクワクしながら進みます。ハイマツやシャクナゲの茂る稜線は整備もされており、思ったよりも快適でした。まもなくして針葉樹林の中に入るとひんやりと湿った空気に変わり、いい感じにクールダウンできました。ここからコルまではかなり歩きやすく、苔も楽しめて気分転換にちょうどいいルートです。

峰の松目直下は急登のやや登りにくい道を80mの標高差を一気に上がります。茅野の街から見ると目立つ山ですが、たどり着いた山頂は八ヶ岳イチ地味と言っても過言ではないピークでした。折角なので、ここで腰を下ろしてひと休憩。ナガノトマトより新しく発売された「浅間コーラ」味を試しに食べてみました。程よくスパイシーでコーラの再現度高く、疲れたときもさっぱり食べられる味です。私は一番好みの味でした。

休憩時に便利なPostGeneralのフードタオル。濡らすとヒンヤリして熱中症対策、更にフードを被って日焼け対策。

コルからオーレン小屋までの道は緩やかで足に優しい道ですが、まだこの部分だけ残雪とぬかるみのコンボで足を取られないように慎重に歩きました。赤岩の頭方面との分岐に出ると、そこからは更に快適さは増し小走りで降りていくこと数分でオーレン小屋に到着。行きに我慢した長門牧場のアイスとコーラを注文して、沢の横のベンチでのんびり休憩。途中硫黄岳付近で見かけた方が続々と降りてきて、皆さんアイスを頼んでいました。もう山もすっかりアイスが似合う季節です。

桜平までの道もコミヤマカタバミ、ミヤマスミレ、キバナコマノツメなどなど、花を眺めつつのんびり歩いて最後までお花見を楽しんだ一日でした。
いよいよ八ヶ岳もお花のシーズンに入ります!可憐な高山植物をぜひ見に来てくださいね!

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