【店主の休日】 秋の裏妙義ハイキング

店主の休日

こんにちは。チカです。
先日のお休みは友人と裏妙義へ。これからバリエーションルートも行けるようになりたいというステキな目標を掲げていたので、懸垂下降の練習をしたり、ちょっとした岩場を登ったりと岩場トレーニングを兼ねて紅葉が始まりかけた山を歩いてきました。


いつものごとく夜明け前の茅野を出発。車には霜が降りていました。もう茅野の街なかも冬目前です。
朝起きて作ったネギ鮭おにぎりを頬張りつつ、何年か前に表妙義のハイキングに行った記憶を遡りつつ喋っているとあっという間に登山口に到着。下道で2時間ちょっとで着いてしまいました。群馬は茅野から遠いイメージがありましたが、これから春先や秋のバリエーション登山は西上州が定番になりそうです。

今回のスタート地点、国民宿舎で身支度を整えて8:00頃スタートしました。初おろしのハーネスを装着し、緊張気味の友人Sさん。国民宿舎からも裏妙義の岩峰がよく見え、いよいよですね〜なんて言いながらこれから登る岩場へ高揚感を募らせます。

スタートからしばらくはゆるい登り。枯れた沢を何度か渡りつつ、踏み跡を探しながら進みます。途中、木戸壁右カンテというマルチの取り付きを偵察。アプローチシューズでも登れるルートとのことで、夫は「1ピッチだけ登らない?」なんて気持ちは木戸壁右カンテに向かいかけていましたが、今回は時間がないのでパス。近々ちゃんと登りに来たいと思います。

さて、この日は丁須の頭という岩を目的にしており、そこで懸垂下降をする予定だったので途中の斜面で懸垂下降のレクチャーをしました。この日のためにギアを色々揃えてもらったので、できる限り実践してもらおうと思います。Sさんは初めての懸垂下降を終え「面白い!」と好感触。その場でしばらく談笑していると上の方から聞き覚えのある声が聞こえてきました。なんといつもお世話になっているガイドさんとばったり遭遇。数ある山の中でピンポイントで同じ場所にいることにご縁を感じます。

レクチャーを終え、目的の丁須の頭へ向け再出発。登山道は段々と急になっていき、ところどころ現れる鎖場や急な土の斜面が妙義らしさを醸します。登山口の国民宿舎には大きなルート案内の看板があり、「ハイキングコース」と表記されていましたが、ハイキングとは?とツッコミを入れたくなる道です。看板が建てられた頃は普通に沢山の人が歩いていたのか、と思うと時代の移り変わりを感じます。

あたりが明るくなってきて上を見上げると紅葉と空が見えました。なかなかハードな登りもいよいよ終わり、岩の稜線に出たと思ったら丁須の頭の裏側に着きました。木々の隙間から浅間山がチラ見え。のちのち全容をゆっくり見せてもらうとして、先を急ぎ岩場をぐるっと回りこんだところに丁須の頭の取り付きがありました。

登山道の奥にいい感じのテラスがあったので、ここでちょっと早いお昼休憩をとることにしました。コーヒーを飲みながら日向ぼっこをしているとすっかりまったり気分になってしまい、自分が結構急な場所にいることを忘れそうになります。紅葉が始まった木々の奥に鋭い岩峰。日本庭園はこういう景色を再現したくて作られたのだろうな〜なんて思いつつ、「いとあはれ」な景色をじっくりと堪能しました。

丁須の頭にて。三人座るのがギリギリ。

腹ごしらえを終え本日のメインイベント、丁須の頭への登頂を開始。鎖はありますが、念の為ロープで確保しながら登りました。下から見るとそうでもないのに、いざ登ろうとすると、張り出た岩と高度感に恐怖心が…。冷静に足元を見てぐっと立ち込み上がると眼前に広がる大展望。関東平野の広さにおお〜と声が上がります。群馬側から見る八ヶ岳はいつも見ているものとは全然違う形でなんとなく違和感があります。浅間山は妙義から見てもちょっと黄色くなっていました。ちょうどカラマツの紅葉が見頃で、金粉をかけたよう、なんて巷で話題になっているらしいですね。

この日はNihoのサングラスを着用。サイドフードがいい感じでした。

丁須の頭からの下降は懸垂下降で。レクチャーの甲斐もあり、スムーズに登山道に戻って来られました。ここからは三方境まで岩場の稜線歩きです。関東の低山らしい細いリッジが続きます。こういう山は紅葉が落ちてきて遠くの景色が見えるようになる頃が楽しいですね。

赤岩までの稜線上に15mほどのチムニーが1箇所だけあり、そこも念の為懸垂で降りました。

地味なアップダウンがあるのも低山らしい。登っては下ってを繰り返しつつ、赤岩の基部に到着。ぐるっと東側をトラバースします。そこから烏帽子岩までまた若干登り返し、烏帽子岩の基部にて小休憩をとることにしました。お湯を飲みながらまったりしていると、夫が「スマホがどこか行った」と爆弾発言。最後に使った話を聞く限り、ポケットに入れようとして落とした模様。iPhoneを探す機能を起動させると、烏帽子岩の下の方から「たすけて〜」とでも言うように音が聞こえてきました。夫はロープでスマホの場所まで降りていき、10分ほどで登り返してきました。片手には崖下に50m程落下したものの無傷なiPhone。事なきを得て何よりでした。

烏帽子岩も東側を巻いていきます。トラバース部分には鉄の棒にはしごを引っ掛けた足場がかかっていました。逆に怖いと思いながら慎重に通過。左手には王冠のような姿の表妙義がよく見えました。再び細尾根歩きに戻り、風穴尾根の頭もスルッと通過。後から調べたところ、頭には本当に穴の空いた岩があったようでスルーしてしまってちょっと惜しい気持ちになりました。

遠くに見える丁須の頭。風雨による侵食で硬い岩だけ残った姿に想像もつかないほどの時の流れを見ました。

三方境からは斜面をトラバースしていく道で、尾根と沢が交互に登山道に現れる感じが懐かしの奥秩父に帰ってきたような気持ちになりました。日も短くなってきて樹林帯に入るとぐっと暗くなるので、早足気味に降りました。

下山途中やや足をひねるというプチトラブルに見舞われましたが、全員何事もなく登山口へ戻ってきてほっと一息。初メンバーということもあり短めの行程にしましたが、岩場あり、紅葉あり、景色ありと低山を満喫した充実した一日となりました。またご一緒できたら嬉しいものです。

タイトルとURLをコピーしました